ジグ
図1
ジグに関する基礎知識
1.車の構造変化について
1994年4月から新衝突安全基準が適用されました。
この法改正により、より安全に関する問題がクローズアップされました。
各製造メーカーの安全基準対応策として3つあげられます。
(1)衝撃力分散フレーム構造
(2)フレーム変形モードのコントロール
(3)パネル接続部の強化と補強材の追加
以上の3つの組合せにより、キャビンを堅牢にし、
車体前後をクラッシャブルゾーン(つぶれしろ)にする構造体を作り出しています。
しかも、クラッシャブルゾーンの考え方は、ただ単につぶれやすい構造にしているのではなく、
衝突による衝撃力をボデーを変形させながら吸収していくという構造体です。
2.修正機の変化について
車の発達によってそれを直す修正機も変化してきました。
また車の構造によって2つのタイプの修正機が発達したのがよく理解できます。(図1)
地域 | ヨーロッパ | アメリカ |
発達した車のボデー構造 | モノコックボデー | フレーム車 |
サスペンション・タイプ | マクファーソン | Wウィッシュボーン |
開発された修正機名 | セレットベンチ カーベンチ |
ドーザー コーレック |
図1 2つのタイプの修正機の発達
広大なアメリカではわざわざ車のボデーサイズを小さくする必要はほとんどありませんでしたが、
ヨーロッパの道路は小さな車のサイズが必要でした。その結果開発されたのがFFモノコックボデーでした。
軽量小型で室内空間が大きく確保できるボデーです。そしてそれを直す修正機もそれぞれに適したものが発達していきました。
(1)アンカークランプ式(アメリカ)
ボデーのサイドシルをアンカークランプで固定する方式です。
車のサスペンションは、ダブルウィッシュボーン式で調整が出来ます。
ただし、現在では殆どこのボデー車種は作られていません。
(2)ジグ式(ヨーロッパ式)
昔どこのボデーショップでも見かけたドーザーよりもセレットベンチの方が古く開発されました。
モノコックボデー用に開発されたセレットベンチは、ジグタイプの修正機です。
ジグは専用のものを使用しなければなりません。
つまり、プリウスVW30、マーチK13等専用のジグを用います。
これらは買取するかレンタル方式なのですが、ヨーロッパと日本と違う点はレンタル料金を修理費用として請求できるかが問われるところです。
このように車の進化と修正機の関係を調べていくと、モノコックボデーにはジグが最も適した修正機といえます。
だが、ここで問題なのがヨーロッパで生まれ育った修正システムが日本でも通用するかどうかということです。
3.グローバルジグ導入によるメリット
修正の歴史の流れを見ても分かるようにグルーバルジグは時代が作り上げた修正機なのです。
そして、日本車に適した修正機でもあります。
ですからグローバルジグが日本国内でもナンバー1の販売実績を誇っているのは当然かもしれません。
ここで、日本のボデーショップで受け入れられたメリットを説明します。
● 正確に直せる ●
何といってもグローバルジグの魅力は、ボデーアライメントが1ミリ単位で正確に直せることです。
「高さ」「幅」「奥行き」の3次元の寸法を計測しながら修正できます。
そして、それぞれが固定出来ます。だから狂いが出ません。